podcastでよく聞く番組の一つにTBSラジオで放送されているストリームがあります。
パーソナリティは小西克哉と松本とも子。とにかく日替わりのコラムが面白い。
ちなみに月曜日は吉田豪、火曜日は町山智浩、水曜日は勝谷誠彦、木曜日は辛酸なめ子の強力布陣。めちゃおもろい。
そんなストリームで8月の放送された特別コラムの小西克哉氏と起訴休職外務事務官である佐藤優氏との対談における佐藤優氏のよどみない語り口、質問に対して間髪いれず「それはですね~」ではじまり、理路整然としたその分かりやすい内容に、この佐藤優さんという人はめっちゃ頭がいい人だと思いましたよ。佐藤優さん自身にめちゃ興味がわきましたよ。
この佐藤優氏といえば、鈴木宗男代議士の懐刀、外務省のラスプーチンとマスコミに言われている人です。週刊誌のつり革広告が政治、経済ニュースの入口である自分にとっては、善人か悪人かという単純な区分けでといえば明らかに悪人かと思っていましたが、この人の世界情勢、そして日本の外交官に対する分析が面白く、図書館で関連書籍を借りて読んでみましたよ。
そして、そんな単純な悪人では片付けられる話ではないということがよーく分かりましたよ。
インテリジェンス 武器なき戦争 手嶋龍一著、佐藤優著
★★★★
最初に読んだのが、これ。国家間の”情報(インテリジェンス)戦”の実態について語り合った対談。 中東戦争、大韓航空機撃墜事件、ベルリンの壁崩壊、湾岸戦争、911テロ……
などなど、現代史の重大事件の裏側で、各国がどのような情報戦を繰り広げていたのかについて語られています。
ここでいきなり出てきたインテリジェンスという言葉。
外交において使われる「インテリジェンス」とは特定の国家や政府機関の維持及び強化を目的として収集される情報のことです。
ちなみに、秘密情報の98%は公開情報を再整理することによって得られるそうです。これにはびっくり。
そして次に読んだのが、
ライオンと蜘蛛の巣 手嶋龍一著
★★★
最初のインテリジェンスで手嶋龍一さんにも興味が広がり、読んだのがこれ。
同時多発テロ事件の際に11日間連続の中継放送を担当した元NHKワシントン支局長である手嶋氏が、実際の歴史的事件の裏側、政治家、スパイたちの素顔を描く。知らない世界を覗くって面白い。
その次に
ウルトラダラー 手嶋龍一
★★★★
インテリジェンスを題材としている小説。数年前のベストセラーですね。一年ほど前から図書館に予約をしていたのですが、今回タイミングよくまわってきました。
小説の形をとっているが、どこまで事実か?と想像しながら読んでいるととても面白い。こういう主人公のような人間が実際に霞ヶ関にいるのかなぁ?
「拉致」衝撃の深層!昭和43年暮れ。東京・荒川に住む若い彫刻職人が、忽然と姿を消した。それから35年以上の月日が流れ、ついに全貌が明らかになる…。ダブリンに超精巧偽百ドル札あらわる!震源は「北」。北朝鮮は偽ドル札を元に核開発をしているのか。。。。
獄中記 佐藤優
★★
佐藤優氏が、512日間拘置された東京拘置所内で記した日記に加え、同僚や友人、弁護士らに綴った書簡を収録した一冊。
初回公判まで接見等禁止措置が取られる中で、4畳の独房で紡いだ思索を克明に記す。著者は拘置所で、それまで「腰を据えてしたかったけれども、時間に追われてできなかった」ことに取り組んだ。神学や哲学の古典をじっくりと読み、ドイツ語やラテン語の勉強に励んだ。学術書を中心に約250冊を読破し、原稿用紙5000枚、大学ノート62冊のメモをまとめている。
いや、これはですね。ぶっちゃけた話、書かれているレベルが雲の上ほど高すぎて自分にとってはちんぷんかんぷんだったのだ。
哲学、神学、民俗学、文学についてかなり高いレベルで書かれているのだ。語句注釈についてはすごく丁寧に書かれているのだが、それでもこれらについて基礎力のない自分にとっては、???であった。
ただ、外務省の基礎体力が弱っていることに嘆き、後輩の外交官に対してつづっている手紙もあるのだが、それは外務省だけでなく一般にも当てはまるところもあり、自分のこととして考えることができましたよ。
国家の罠 佐藤優
★★★★★
なぜ自分が逮捕されるにいたったのか。
獄中記の内容をあたかも小説のようにまとめた手記である。ちなみに、発刊はこの国家の罠の方が早いので、自分もこっちから読めばよかったと思う。逮捕前夜に渦巻いていた外務省内部の権力闘争や自民党の内部抗争、さらには本件を「国策捜査」であると明言したという検事とのやり取りを、冷静に分析しています。なぜ鈴木宗男がターゲットにされたのかということもすごく分かりやすいです。
ここで出てきた「国策捜査」。これも馴染みない言葉だったのですが、一連の読書で分かりましたよ。
すなわち、政府の政策的方針及び意志を、刑事事件の取り扱いを通じて政府自身が示すような捜査のことをいうようです。特に、政府が従来の方針から新たな方針へと大きく方向転換したことを広く示したいときに用いられる政治の道具の一つだそうです。
地球を斬る 佐藤優
★★★
今も連載がつづいている、「フジサンケイビジネスアイ」のコラムをまとめたもの。
今年(2007年)の3月分までまとまめられている。
面白いと思ったのが、過去のコラムに対して自らが検証を行っている点。単なるコラムの集約ではない、丁寧な本の作り方に関心しました。
最近のコメント